| 海岸線はまっすぐではない |

「海岸線はまっすぐではないし、島は丸くない。自然はsmooth(なめらか)ではない。」2002年10月31日東京の日本未来科学館で行われたマンデルブロ氏の講演が始まった。通訳の片が付いているとはいえ、英語での講演で、ちゃんと理解できているかどうかははなはだ疑問だが、まあ、こんな話だったのではないか・・・ということで講演会の内容から考えたことなどを。
講演会の内容は数学セミナー2003年3月号にでるそうだから、どれほど間違っていたのかがそのときになればわかる・・・・・・のだ。
なんと言ってもうまく聞けなかったところもあるし、おそらく思いこみで勝手な解釈をして書いているところもあるのだろうと思う。時間ができたらもうちょっとちゃんと調べて、フラクタルについては生徒たちにもわかるような書き方で書いてみたいと思っているので、その準備・・ということで(^^;
「海岸線の長さはどうやって測ったのだろうか?大きな船から、遠くから計ればまっすぐに見えても小さな船ですぐそばまで寄って計ればまっすぐではないのだ」
地図に描かれた海岸線はこんな風に入り組んでいるけれど、この地図を拡大してみれば更に海岸線は複雑な形になっている。「海岸線の長さ」などということがあるが、この長さはいったいどうやって測ったのだろう?
この海岸線をもっと拡大するとそこにはやはり複雑な形がでてくる。どんどん拡大すれば、そこにはやはりまた入り組んだ海岸線がでてくる。
こんな風に拡大あるいは縮小すると同じ形がでてくる図形を「自己相似形」というのだが、自然の中にはこうした自己相似がたくさんある。(この自己相似はフラクタルな図形の特徴でもある・・・フラクタルの定義はハウスドルフ次元が位相次元よりも大きいことなのだそうだが・・・よくわからない・・・フラクタルの特徴としてはいたるところ微分不可能で自己相似を持つ・・・ことらしい)
そこで考えなくてはいけないのがそのスケール、縮尺はどうなっているのかであり、たとえば地質学者などは自己相似である地質の写真などを撮るときにカメラのキャップを一緒に撮る、物差しを一緒に撮るなどして、その大きさがわかるようにするのだ。
そのスケールを参考に写真を見て判断するのだが・・・・マンデルブロ氏は等身大のカメラのキャップと一緒に撮った写真を披露して、会場の笑いを誘った。
人はカメラのキャップを見ると今までの経験からその周りにあるものは同じスケールになっていると思い込むのだ
こんな風にして、海岸線だけではなくいろいろな自然にあるものの中にはフラクタルなものが多い。ツリーといわれる木の形もそうだし、物理や生物や音楽で扱う現象の中には多くのフラクタルが存在する。経済の分野でもフラクタルが存在する。
しかし、今の学校教育ではギリシャ時代からのユークリッド幾何学が幅を利かせている。このユークリッド幾何学では直線はあくまでまっすぐで、円は丸い。いわば、coolでdryな幾何学なのだ。自然を記述するのに今のユークリッド幾何学では自然を記述するための数学的言語とするには足りないものがあり、限界のある現象についてしか表せていない。
これに対して、フラクタルはrough(ざらざらした)な図形であり、この限界を補うものなのだ。そしてこのraoughさを表すスケールについて調べている(といったと思う・・・)
フラクタルな図形として計算されて描かれた山のような2枚のCGで、そのroughさについて解説をした。一方は現実にある山のように見えるCGであり、roughさは非常に細かく、もう一方はモザイクで書かれたような感じのCGで、roughさは荒い。
そして、自然界にあるいろいろな自己相似フラクタルについての紹介。
カリフラワー・・・カリフラワーというとスーパーで売っているような丸いカリフラワーを思い浮かべるが、ここで紹介されたのは「とう」がたって先がとがってきているようなカリフラワーだった。どこかで見たような形なのだが、それがなんだったのかはちょっと思い出せない。
右の図はFpaintによって作図したtree. これにランダムさを加えると現実の木に近くなる。ここでもフラクタルが現れている・・のだそうだ。この他にもランダムウォークとか、生物の話とか、弾性とか果ては物価指数の話(?)までもがあったのだが、残念ながらCosの理解力が及ばず、ここに書けるほどの理解はできなかった。特にランダムウォークの話はとてもおもしろく是非紹介したいと思ったのだが・・・いずれ日を改めて理解した上でまとめたいものだ。
そして今、このフラクタルの次元についての研究が盛んになっている。フラクタル次元の決定は非常に難しく、研究はまだまだ進んでいない。
この次元については実は調べることがかなり難しいのだが・・・わかっていないものも多いのだが、マンデルブロさんに言わせると、私は学生(studentといってた)にでもわかるように教えることができる・・・そうだ。
「中、高等教育にフラクタルを」という講習会をアメリカで行っているが、その中には13歳(といっていたと思う)の学生が「複素数の知識が必要だというのなら、私にもその複素数を教えてくれ」と先生に頼んだとか・・・といった話もでてきた。アメリカの学級崩壊はかなりのものだが、そうした学級でもこうした授業を行うことによって生徒たちが熱心に勉強するようになったとも・・・・(本当だろうか?)
この講演会の後、自然を記述する数学ということに感銘を受けて、少し勉強してみようかと思った。
フラクタルと聞いて、マンデルブロ集合、コッホ曲線 シェルピンスキ−の図形ぐらいしか知らなかったし、(好きではない)複素数を使っためんどくさそうな数学というイメージしか持ち合わせていなかったのだが、その面倒なものが、実はいろいろなところで実際に現れてくるものであり、自然の中にあるフラクタルということになると、ちょっと見方が変わってくる
今回の地図の話・・・実は上の方の地図のように見える図形はマンデルブロ集合の一部なのだが・・・あるいはコンピュータで作ったフラクタルな図形の中に現れてくる自然現象との類似・・・スケールの話などは機会を見て生徒にも伝えることができたら・・と思う。マンデルブロさんのおっしゃっていた「生徒にも次元を理解させることができる」というのがどう言うことなのか、マンデルブロさんの授業を受けたいものだ。
本当はもっといろいろな話があったのだが、それを説明しようとすると、私の基礎知識があまりに少ないために文章にして表すことができなかったのがとても残念だ。さらに、どうせならカメラを持って写真を撮ってくればよかった・・・・と今更ながらに反省(^^;
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Cosと数学にもどる。