実験工房 高温超伝導体

浮き上がった磁石
液体窒素の中の超伝導体のピン止め効果で空中に浮く磁石

 レゴのロボットをつくっった後、超伝導体を見せていただいた。

 ちょっと恥ずかしい話だが、超伝導については子どものころ、たぶん中学生ぐらいのときに知った話以上のことは何も知らなかったのだ。(第一,超伝導となる臨界温度についてももっと低いものしか記憶になかったのだ‖^O^‖

実際には2001年の暮れ、湘南台高校で行われた科学の広場(だったけ?)でも液体窒素の実験の中に超伝導体の実験も含まれていたのだが、このときには低温の世界のほうに意識が向いていて、超伝導についてはあまり意識していなかった。

 

 

 超伝導体の特徴としては
電気抵抗が0 Cosが習ったのは何よりもまずこのことで、電気抵抗が0だから熱損失がまったくない理想的な伝導体だと習った
マイスナー効果 超伝導体に磁場を加えても磁束を侵入させないようにする効果で,完全半磁性と呼ばれる効果。これにより、超伝導体の上に磁石をのせると重力に逆らうように浮上する。
ピン止め効果磁束線の動きを止める効果。超伝導体は磁石に対して大きくくっつく力と、一部が反発する力が働きます。

 今回見せていただいたのはこのピン止め効果についての実験で、液体窒素の中に超電導物質(黒い円盤状のもの)を入れて超伝導状態にした上で磁石を乗せて浮かせるというもの。

液体窒素を注いだところ 使われた高温超電導体はちょうどその日に入社式を行ったAsimo2台分もの値段がするという、非常に性能の高いもの(らしい・・・)

 液体窒素の中で超伝導となる物質が作られるようになったのはここ十数年のことらしい。

 発泡スロールでできた容器の中に-190℃以上の高温(何度だったか忘れた・・・)で超伝導となる超伝導体の上に小さくきった発泡スチロールが置いてあり、その上にネオジウム磁石(上野灰色のもの)が重ねておいてある。ここに液体窒素を静かに注ぐと激しく沸騰する。

 正直なところ、なんとなく温度を考えると『沸騰』というよりはあわ立っているという感じなのだが、よく考えてみると液体が気体になっているのだから、確かに沸騰なのだ。なんだか不思議な気がした。

なんとなく『沸騰』と聞くと熱そうだし。

ここで使っている液体窒素の扱いはかなり気をつけないと『低温やけど』(本当は凍傷だなぁ・・・)をすることがあるといいながら、やけどをした指を見せられてしまった(^^;

 沸騰が次第に静かになり、泡も出なくなってから静かに間に入っていた発泡スチロールを抜く。

すると上に乗っていた磁石はそのまま静かに空中に浮いている。したの超伝導体との距離は1cmぐらいあったのではないかと思う・・・(でも発泡スチロールの厚さは5mmはなかったような気もするけれど・・・)

浮いたところ     間に紙を入れてみた

 先日湘南台高校でも同じようなものを見せていただいたが、ほんのちょっと浮いているだけだったし、磁石も小さかったので、その距離、磁石の大きさはとても比較にならない。

そして、液体窒素の液面からは液体窒素の蒸気が静かに湧いてきている。ちょうどドライアイスの白い煙のような感じだろうか・・・

どこか現実離れした、とても幻想的な雰囲気になっていた。右の写真は間に紙を入れてみたところだけれど、そんなことをしなくても左の写真でどれぐらい浮いているのかよく分かるような気がする。(当たり前といえば当たり前だけど紙では磁場はさえぎられないんだ・・・間になにを入れたらすとんと落ちるのだろう??

ここを押してみた 磁石もかなり冷えていて危険なので、磁石の上に発泡スチロールを載せてその上から思いっきり押してみる。(押しているところの写真は取れなかった、とるよりも夢中になっていたのかもしれない・・・残念‖u_u;

写真では想像もつかないことだが、空中に浮いているのを見ると簡単に落ちてしまうのではないかといったかなり不安定な印象を受けるのだが、実際には思いっきり押してみてもびくともしなかった。

理屈からいえば多少は沈むはずだけど 実際の印象としてはまったく沈もうとはせず、上に載せた発泡スチロールにつめが食い込んでいくだけという感じで、とても間に空気が存在するとは思えないような硬さだった。

 いよいよ液体窒素の中から取り出して見せる。

さっきも書いたように磁石はとても冷たくなっているので直接手では触れない。本来は竹やプラスチックでできたピンセットのようなものを使うのだろうけれど、磁石を発泡スチロールで挟んで手で持って持ち上げて見せてくれた。(左の写真)

取り出しているところ     表でも

すると、持ち上げたのは磁石なのに、超伝導体もついてくる・・・それも浮いたままの状態でついてくる。指の大きさと比べるとどのぐらい離れているのかがよくわかる。

実は・・・これをみた時には不思議ともなんとも思わなかった(単に不勉強なだけ)のだが、よく考えてみるとどうしてついてくるんだろう?

単純に反発しているだけなら、ついては来ないのではないかと思うのだが・・・どうやらこれがくっつこうとする力と反発しようとする力の効果であるピン止め効果らしい。

当初はピン止め効果とマイスナー効果の区別がついてなかったのだが、マイスナー効果だと思い込んでこのページを作ったら、「これはピン止め効果だよ」と教えてくださる方があった。感謝 m‖_ _‖m(あわてて学校で「ピン止め効果って何?」と聞いて回ってしまった・・・

温まってしまうと超伝導ではなくなるので、長い時間は出して置けないけれど、短時間であれば右の写真のように出しておくこともできる。

 あまり・・・まったくが正しい・・・超伝導には詳しくないのでなんともいえないが、実はこの液体窒素の『外に出せる』というのはすごいことなのかもしれない。